電子材料部品の基板の多くはアルミナもしくはソーダライムガラスを用いている。近年の燃料電池やハイブリッドカーの普及拡大に伴ってパワーデバイスなどの電子部品需要が増加し、その結果、高放熱材料である窒化アルミニウム基板や窒化ケイ素基板ならびにヒートサイクル時の体積変化が少ない石英などの低膨張基板の需要が高まっている。しかし、一般的にオーバーコート材の熱膨張係数は高いため施工が困難であることが課題です。そこでオーバーコートガラスから負膨張性のLi2O-Al2O3-SiO2(LAS)系結晶ガラスを析出させる低膨張ガラス組成を開発しました。
窒化アルミニウム、石英などの低膨張基板へクラックを発生させずに施工することが可能で、再加熱時に流動しない結晶化ガラスであるためヒートサイクル特性に優れています。また、従来の低膨張ガラスの焼成温度900℃よりも低温である650℃焼成が可能です。