素材
プラスチックの装飾用めっきには、素材にアクリロニトリル・ブタジエン・スチレンの共重合体であるABSが用いられます。耐熱性などが要求される場合には、ポリカーボネートとポリマーアロイ化したPC/ABSが用いられます。
金属に比べて軽量で、いろいろな形状に成型しやすいプラスチック。 プラスチックめっき(樹脂めっき)は、ABS樹脂やPC/ABS樹脂などの成型品に、めっき皮膜を形成する方法です。
近年、自動車メーカーは燃費向上のために、軽量化への取り組みを強化しており、プラスチックめっきが内装、外装部品に多数採用されています。自動車以外の分野においても、メタリックな輝きを持ち、高級感のあるプラスチックめっきは、バイク・自転車部品、水栓金具、浴室・インテリア用品、家電製品などの意匠性向上に広く使用されています。 OKUNOのプラスチックめっき薬品は、その技術を支えています。
プラスチックの装飾用めっきには、素材にアクリロニトリル・ブタジエン・スチレンの共重合体であるABSが用いられます。耐熱性などが要求される場合には、ポリカーボネートとポリマーアロイ化したPC/ABSが用いられます。
素材に付着した油分、汚れなど除去し、清浄化します。
脱脂後に、空気だまり(エアーポケット)を防止するために、整面と称される工程を施すことがあり、当社でもトッププラコンシリーズをラインナップしています。
濃厚なクロム酸-硫酸溶液に浸漬し、主にブタジエン成分を選択的に酸化溶解し、素材に微細な凹凸を形成します。
次工程の触媒付与液への水の持ち込みを防ぐために塩酸溶液に予備浸漬します。プリディップ後は、水洗なしで次工程へ進みます。
無電解めっきの触媒となるパラジウム-スズコロイドを付与します。触媒付与液の安定性を維持するための塩化第一スズの補給液 キャタリストスタビライザーもラインナップしています。
吸着したパラジウム-スズコロイドから余分なスズを溶解除去し、活性化します。
後工程の電気めっきの一次導電膜として、無電解ニッケルめっきを施します。
無電解ニッケルめっき後には、水洗後にそのまま電気めっきに進むケースも多いですが、導電膜補強のためにストライク電気ニッケルめっきを行うこともあります。
さらに、無電解ニッケルめっきやストライク電気ニッケルめっきと次工程の電気銅めっきの密着不良防止や接点焼けを防止する処理剤として、銅置換液の ANCアクチもラインナップしています。
硫酸銅めっき浴で素材のエッチングで形成された凹凸をレベリングし、鏡面光沢外観にします。素材の欠陥といえるウェルドライン(溶融した樹脂が金型内で合流した部分)も電気銅めっきで埋める性能が求められます。
後工程の光沢ニッケルめっき(皮膜中に硫黄を含む)より貴な電極電位になるように、皮膜中に硫黄を含まないニッケルめっきを行います。
光沢ニッケルめっきと半光沢ニッケルめっきの電位を調整することで、硫黄を含む光沢ニッケルめっき層が優先的に腐食し、下層の銅めっき層の腐食を抑制することができます。
さらに、レベリング性能、皮膜の良好な機械的物性などが求められます。
高度な耐食性が求められる際には、次工程の皮膜中に硫黄を含む光沢ニッケルめっきよりさらに卑な電極電位となるように、硫黄をより多く含んだトリニッケルめっきを行います。
トリニッケルニッケルめっき層が犠牲作用によって優先的に腐食し、下層の半光沢ニッケルめっき層の腐食を抑制します。
優れた光沢を有するニッケルめっきを行います。優れた光沢性に加えて、後のクロムめっきのつきまわり性を損なわない性能が求められます。
また、つや消し(サテン調)外観のめっきとして、TOP DuNC STシリーズもラインナップしています。
光沢ニッケルめっき液をベースとした浴に不導体微粒子を分散させためっき液で皮膜中に不導体粒子を共析させ、次工程のクロムめっきに多数の微細孔を形成します。多数の微細孔が局部電池反応による腐食電流を分散させ、耐食性を大幅に向上します。
めっき液には、品物の形状、箇所にかかわらず、均一な微粒子の共析が求められます。
クロムめっきによって、光り輝く金属光沢外観にします。
クロムめっきには優れた耐食性、つきまわり性が求められます。
当社は銀白色系のTOP DuNC CRシリーズ(フッ化物系6価クロムめっき浴)、銀白色(6価クロム浴近似色)やグレー色、スモーク色にトップファインクロムシリーズ(3価クロムめっき浴)、黒色系にトップファルベシリーズ(3価クロムめっき浴)をラインナップしており、豊富なカラーチョイスを可能にします。
技術紹介:「プラスチックめっき薬品」もあわせてご覧ください。
各種お問い合わせはフォームから承ります。