装飾クロムめっきは、耐食性・耐摩耗性に優れるため、自動車、自転車、バイクや水栓金具などに広く採用されています。加飾用のクロムめっきは、プラスチックの表面に美しい金属光沢を与えるため、自動車の内装部品、家電製品、キッチンやシンクなど水まわりの部品にも使われています。
一般的に使用されている6価クロムめっき(6価クロム化合物を用いたクロムめっき)は、抗菌性・抗ウイルス性を有しませんでした。しかし、昨今、清潔さへの関心が高まり、抗菌・抗ウイルス性のあるめっきやコーティングの需要が拡大しています。そのため、当社は、このたび高い抗菌・抗ウイルス性を発揮する装飾用の3価クロムめっきを新たに開発しました。
奥野製薬工業は、めっき技術・コーティング技術を応用し、アルミニウム・各種金属・めっき品・ガラス表面に優れた抗菌・抗ウイルス性を発揮する「TOP NOBACシリーズ」を開発しました。
新製品「TOP NOBAC CR」は、装飾用青黒色3価クロムタイプの抗菌・抗ウイルスめっき薬品です。黄色ブドウ球菌、大腸菌に対する抗菌活性値(JIS Z 2801)は4.5以上、A型インフルエンザウィルス、ネコカリシウイルスに対する抗ウイルス活性値(ISO 21702)は2.0以上と高い効果を発揮します(2.0以上を効果ありとみなす)。
めっき速度は標準条件下で0.07~0.12 μm/分と優れており、つきまわり性も良好です。3価クロムめっきの課題であった皮膜の黄みを低減し、美しい青黒色の皮膜が得られるため、プラスチックの加飾にも最適です。