2020年以降、4Gに続いて、5Gの移動通信サービスが日本でも始まりました。5Gは超高速通信を可能にするだけでなく、遠隔地でもロボットなどをスムーズに操作できる超低遅延、スマートフォンやパソコンを多数同時接続できるといった特長を有しています。現在、高速伝送に適した素材として、LCPやフッ素系樹脂のような低誘電材料を用いた高周波対応基板が注目を集めており、特に液晶ポリマー(LCP)は高周波領域での電気特性に優れ、吸水率が低く、寸法安定性に優れているため、5Gやミリ波向けへの採用が進んでいます。当社は、銅めっきの密着が確保されにくいといわれるLCP向けに、高密着性が確保できる表面改質とめっきを組み合わせたプロセスを開発しました。
トップLECSプロセスは、LCP専用に開発された無電解銅めっきプロセスです。当プロセスは、銅箔を用いないダイレクトめっき法であり、乾式法(蒸着・スパッタなど)と異なり、大規模で高価な装置を必要とすることなく、LCPフィルムに直接回路形成することができます。
当プロセスは、表面改質とめっきを組み合わせたプロセスであり、LCPの表層を均一かつ微細に粗化したのちに、低応力で緻密なめっき皮膜を形成することで、熱ストレス(150℃ 72時間)を加えても、低粗度を維持しながら6N/cm以上の高い密着力を示します。
ロール・ツー・ロール方式、セミアディティブ法にも対応可能で、全プロセスを湿式法で実現できることから、生産性の向上と微細配線化に貢献いたします。