通常、アルミニウム陽極酸化処理は、電解液の温度を下げることで硬質皮膜が得られ、自動車・航空機の部品など、耐食性だけでなく耐摩耗性や強度が求められる場面で活用されます。
一方で、硬質陽極酸化皮膜を得るためには高い電圧が必要であり、また、電解時に発生する熱を常に冷却し続けなければなりません。そのため、一般陽極酸化処理と比較すると相当な電力エネルギーを使用しなければならない課題がありました。
そこで、当社は 浴温20℃でもHv400以上かつ耐熱クラック性が良好な硬質陽極酸化皮膜が得られる環境配慮型のアルミニウム硬質陽極酸化用添加剤「トップハードナーAL」を新たに開発しました。
当社の新しいアルミニウム硬質陽極酸化用添加剤「トップハードナーAL」は、皮膜に形成される微細孔の溶解抑制により孔壁を厚膜化させることで、一般陽極酸化と比較すると同温処理時の皮膜硬度を上昇させます。これによって、浴温20℃でもHv400以上の硬質陽極酸化皮膜が得られ、冷却に必要な電力使用量を削減することで環境配慮型社会の実現に貢献します。
さらに、処理皮膜は水分量が少なく、熱処理による皮膜収縮が抑制されることで200℃以上の高い耐熱クラック性を示します。