近年、ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems:先進運転支援システム)、オートノマスカー(自動走行車)、産業用ロボットのように自動化や省人化を目的とする分野で、リアルタイムで力、音、加速度、温度、光、色、圧力、磁気、速度などを計測・モニタリングするセンサの採用が増加しています。また、情報通信や家電など、クルマ以外の分野においてもセンサを搭載する装置の需要が増加しています。
奥野製薬工業は、高精度のセンサーデバイス、センシングカメラ、光学部品、光学機器向けにトップアルクロイプロセスを開発しました。
従来、アルミニウムに黒色仕上げをする場合、黒クロムめっき、黒色無電解ニッケルめっき、黒染めのアルマイトなどが行われてきました。黒クロムめっきからは濃黒色の皮膜が得られますが環境負荷が高く、また、黒色無電解ニッケルめっきでは高耐食性が得られにくいという課題がありました。
そのため、奥野製薬工業は、自社が得意とするアルミニウムの前処理工程を大幅に改良し、従来の黒染めのアルマイトよりも低いL値を示すトップアルクロイプロセスを新たに開発しました。
当プロセスはコーティングや塗装と異なり、アルミニウム上に直接施工できます。さらに、素材表面に微細な凹凸をつけることで素材表面の反射率を低減し、可視光領域から長波長領域350 nmから750 nmの範囲で、反射率を5.0%以下に低減できます。