プリント配線板は、産業用機器をはじめ、スマートフォンなどの身の回りのあらゆる電子/電気機器に幅広く使用されています。従来から、プリント基板へのめっきには薄膜化、高密度化、高品質化が強く要求されてきましたが、近年はあわせて生産性の向上と作業環境の改善も求められるようになり、無電解銅めっきには水平搬送型の連続処理装置が使用されています。
水平めっき処理は、治具かけ作業が不要で省人化できる、クローズド式装置により作業環境を改善できるというメリットを持ちますが、設備や装置の管理に時間を要するという問題がありました。
水平搬送型の無電解銅めっきプロセスの課題は、パラジウムなどの凝集物による異物不良や搬送ローラー痕が生じやすいことです。そこで、当社はそれらの課題を解決する水平めっき装置専用の無電解銅めっきプロセス、OPC H-TECプロセスNEXを開発しました。
当プロセスは、新規開発のプリディップ液によって、凝集物の基板への転写を解消し、搬送ローラーのメンテナンス頻度を大幅に低減できます。さらに、無電解銅めっき液のスルーホールおよびビア内への初期反応性を改善することで、フレックスリジッド基板のフレキ開口部などの平滑面でもブリスターが発生しにくく、かつ、めっき皮膜と内層銅箔の接続信頼性にも優れます。