令和6年度のスタートにあたって

本日より新年度のスタートです。

昨年度を振り返ると、長期的に不安定な東欧と中東情勢、中国の景気減速、世界的な物価の高騰、気候変動にともなう災害の激甚化などで、国内外ともに不安の続いた1年でした。
日本では、新型コロナウイルス感染症が5類感染症の位置づけへ移行し、行動制限のない社会生活に戻ったことで、個人消費とインバウンド需要が回復するなど、明るい話題もありました。経済面では、3月に日経平均株価が史上初の4万円台に乗り、現在も高い水準で推移しています。一方、ドル円相場は1ドル＝130円前後だったものが、2023年11月には150円を下回り、急激に円安へ傾きました。今年は、米国の利下げや日銀のマイナス金利解除など、円高傾向となる要因が揃っており、原材料価格の高騰への抑止となることを期待したいところです。

自社の業績を振り返ると、それらのさまざまな外的影響を受け、売上は前年対比で横ばいの厳しい結果となりました。

本年度の会社方針は、改めて奥野製薬の強みである創造力を発揮すべく、昨年度に引き続き、

「目指せ400億!!　企画力 提案力 発想力の強化で目標達成」

としました。

今年の世界経済の成長率は約3％と予測されており、2000年から2019年の平均である3.8％を下回るとされています。各国の金融政策の引き締め、貿易と投資の世界的な低迷により、成長は緩やかになる見通しです。
また、中東情勢の緊迫化、地政学的事情や気候変動の影響により、海上物流が停滞するリスクがあります。また、中国の景気や不動産市場が悪化すると、世界経済へ影響が出るおそれがあり、今年も厳しい状況が続きそうです。

そのような中で、また、生成AIという世界的に大きな関心を集める革新的な技術が登場しました。生成AIは、政治経済や地政学的リスク以上に、世界そのものに大きな地殻変動のような変化をもたらしうる技術のひとつです。当社も大きなビジネスチャンスにつながる足掛かりとして、期待しています。

1905年（明治38年）に創業しました当社は、今年創業120周年を迎えます。
大きな潮流が生まれる際、成長する企業には、自社の強みを理解し、競合他社と差別化できるかが重要となります。社会の変化に対応できる企業となるよう、今年は全社員の「創造力」をさらに集結し、飛躍の年とすることを目指してまいります。