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技術資料

トップフードテクノフォーカス

第14号 2010.5

●貝殻焼成カルシウム製剤の食品への利用

神奈川工科大学応用バイオ科学部 澤井 淳

現在、ホタテ貝が北海道や青森県を中心に水揚げされ、加工処理後の大量のホタテ貝殻が、海辺に放置され悪臭を放ち、ウロ中に含まれている重金属は深刻な環境汚染を引き起こしている。貝殻の主成分である炭酸カルシウム(CaCO3)は、焼成処理することで酸化カルシウム(CaO)に変化する。抗菌活性の発現は、CaOの生成に起因し、粉末の焼成温度の増加に伴い殺菌効果は大きくなった。ホタテ貝殻焼成カルシウム粉末は、細菌の栄養細胞だけでなく、ストレスに対して著しい耐性を有する細菌芽胞に対しても殺菌効果を示した。また、貝殻焼成カルシウムの抗菌活性は,単なるアルカリ処理(NaOH)と比較するとかなり大きく、pH以外にも抗菌要因が存在することが示唆された。

貝殻焼成カルシウムをカット野菜や果物の除菌・洗浄に応用したところ、効果的に生菌数を低下させることが可能であり、次亜塩素酸ナトリウムに対する優位性が示された。貝殻焼成カルシウムは、食品添加物(ミネラル補給、pH調整剤)として認められているが、食品のシェルフライフの延長にも寄与することが可能である。このようなホタテ貝殻焼成カルシウムは、環境中に放出されても二酸化炭素を吸収しCaOが再びCaCO3に戻る。安全性の高い抗菌剤の開発が求められている今日、このような材料の食品加工プロセスにおける実用化が期待される。

●米飯用乳化油脂『トップブルーミー』による米飯の老化抑制効果について

総合技術研究所 食品研究部 葛谷 直也

低温下で流通、販売される白飯や弁当類のようなチルド米飯類では、米飯の老化抑制が課題となっている。これまでの研究で、いくつかの成分が老化抑制に効果的であることが見出されているが、不十分であり、さらに効果的な老化抑制素材の開発が望まれている。本稿では、より効果的な米飯の老化抑制製剤として開発中である米飯用乳化油脂「トップブルーミー」の老化抑制効果について報告する。

●貝殻焼成カルシウム含有液体製剤「トップベジエースSLC」の効果

総合技術研究所 食品研究部 今村 哲也

次亜塩素酸ナトリウムに代わる除菌剤として、貝殻焼成カルシウムが注目されてきたが、水への溶解性の悪さ等が課題となっていた。そこで貝殻焼成カルシウムの水への溶解性向上を検討し、さらに貝殻焼成カルシウムの効果を次亜塩素酸ナトリウムとの比較で検討した。その結果、貝殻焼成カルシウムを2.0%(W/W)溶解させることに成功し、「トップベジエースSLC」として上市した。除菌処理後のカット野菜の官能評価では、次亜塩素酸ナトリウムよりもトップベジエースSLCの方が野菜本来の風味を保持し、良好な結果が得られた。有機物存在下での殺菌効果の検討では、Bacillus subtilis(栄養細胞)、Escherichia coli、Hansenula anomalaに関して次亜塩素酸ナトリウムよりもトップベジエースSLCの方が有機物の影響を受けにくい傾向が認められた。各種食材に対する除菌効果の検討では、いずれの食材に対してもトップベジエースSLC3.0~5.0%水溶液処理で次亜塩素酸ナトリウム200ppm水溶液処理と同等以上の除菌効果が認められ、特に大腸菌群に対して高い除菌効果を示した。

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