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技術資料

フードテクノフォーカス

第12号 2007.11

●たまごの物理化学的特性とその食品への利用

京都女子大学 家政学部 食物栄養学科教授 八田 一

鶏卵は古くから食品および食品素材として利用されている。人類は数多くのたまご料理や鶏卵利用食品を開発し豊かな食生活に役立ててきた。これは、鶏卵が優れた栄養性を有することと、鶏卵が調理や食品加工に適する種々の機能特性を有するためである。

食品分野で利用される鶏卵の主要な機能特性としては、卵白の加熱ゲル化性と起泡性、および卵黄の乳化性があげられる。鶏卵に加熱、起泡、乳化などの物理操作を加えると、その卵白蛋白質あるいは卵黄リポ蛋白に構造変化が起こりそれぞれの機能特性が発現する。

これらの機能特性は鶏卵の水を保持する特性、空気を保持する特性、および油を保持する特性として現される。現在、食品分野においては、卵白の加熱ゲル化性が主にかまぼこ、ハム・ソーセージ、麺に、卵白の起泡性がケーキやメレンゲに、卵黄の乳化性はマヨネーズやドレッシングに利用されている。

本稿では、まず、食品分野における鶏卵の機能性について塩類やpHや保存の影響などの実際的な応用研究を紹介する。次いで、鶏卵の構成蛋白質と機能特性に関する最近の基礎的研究を紹介する。

●新規たん白素材「プロフェクトP」の特性と食品への利用

総合技術研究所 食品研究部 田中 克幸

食品業界にとって、おいしさの追求は重要な課題である。原材料の吟味からはじまり、処方、加工工程や保存方法の検討まで、時代に応じて様々な形での努力がされてきた。食品の配合という面では、物性を改良するために増粘剤、ゲル化剤、乳化剤などの食品添加物や、でん粉、たん白、油脂、糖類などの素材が利用されている。 食品の品質向上を目指した取り組みの結果、小麦由来のたん白を増粘多糖類で改質処理することにより新しい性質が付与されることを見出した。この効果を利用した新規たん白素材の「プロフェクトP」を紹介し、その特性や各種食品へ応用した際の品質改良効果について述べる。

●抗菌性成分を利用した食品の保存性向上技術

総合技術研究所 食品研究部 藤上 朝生

現在、食に係わる様々な問題が発生し、食の安全に対する消費者の関心が高まると共に食品業界では、「安全、安心」の確保を第一に挙げている。

こうした背景の中、食品添加物についても科学的根拠がないにもかかわらず、安全性に不安があるというイメージだけで極力使用しないという方向に動き出している。特に保存料に関しては、すでに不使用というメーカーが増えている。

しかし、保存料の代替が必要であり、ここでは、保存料でない抗菌性成分を中心にした食品の保存性向上技術について述べる。

食品衛生法上認可されている主な物質及び微生物由来の抗菌性成分の特徴、抗菌機構、抗菌性などについて示し、より安定な保存性を確保するため諸条件との組み合わせが行われるが、その際、重要となる各種微生物の生育条件(湿度、pH、水分活性、酸化還元電位、食品成分など)についても示す。

これら抗菌成分は、法律的なこともあり、増える要素は少ないが、今後の方向性としては、風味や物性への影響が大きく食品への使用が難しい物質の改善、抗菌性を持つ食品素材(発酵物を含む)の開発などが考えられる。

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