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技術資料

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第9号

●ユキノシタ科黒房スグリ(Ribes nigrum L.)果実抽出液並びに
その色素成分アントシアニンの抗インフルエンザウイルス作用

KNOX M.洋子、林 一也、寺原 典彦、東 匡伸

果実フラボノイドの抗微生物作用の機能性食品への応用を目的として、中国黒龍江省原産の野生種ユキノシタ科黒房スグリ(Ribes nigrum L.、登録商標名:黒加倫)の果実粗抽出液(以下で黒加倫抽出液と略す)、およびその抽出液から分画精製したアントシアニン類について、抗インフルエンザウイルス活性並びにその活性発現機序を検討した。

1.
黒加倫抽出液の抗インフルエンザウイルス活性:

黒加倫抽出液は、3.2μg/ml(乾燥重量/ml)の濃度で、A型インフルエンザウイルス(IVA)およびB型インフルエンザウイルス(IVB)のプラーク形成を50%抑制した。また、この抽出液10~100μg/ml(pH2.8)でIVAおよびIVBの感染価を99.9%以上不活化し、pH7.2においても95~99%の不活化を認めた。一方、IVAおよびIVBの感染細胞内における増殖に及ぼす抽出液の影響を検討した結果、100μg/mlの濃度で、ウイルスの細胞内増殖は完全に抑えられた。また、同じ濃度の抽出液は、細胞内で増殖したウイルスの細胞外への放出を顕著に抑制した。以上の結果から、黒加倫抽出液の抗ウイルス活性は、ウイルスの直接不活化、並びに感染細胞に作用して起こる細胞内でのウイルス増殖抑制と細胞からの放出抑制に起因するものであることが明らかとなった。

2.
黒加倫抽出液の画分とその抗ウイルス活性:

黒加倫抽出液から、カラムクロマトグラフィーおよび薄層クロマトグラフィーで組成分を分画精製し、高性能液体クロマトグラフィー及び質量分析で同定した。得られた画分は、アントシアニン類の3-O-α-L-rhamunopyranosyl-β-D-glucopyranosyl-delphinidinおよび3-O-β-D-glucopyranosyl-delphinidinを主体とする画分(画分F')と、3-O-α-L-rhamunopyranosyl-β-D-glucopyranosyl-cyanidinおよび3-O-β-D-glucopyranosyl-cyanidinが主体をなす画分(画分E')であった。

得られた画分E'と画分F'の抗インフルエンザウイルス活性を検討した結果、抗ウイルス活性(IC50)は500μg/ml前後の高い価を示した。この抗ウイルス活性は、ウイルス感染性の直接不活化によるものではなく、ウイルスの細胞内における増殖のステップ、とくに、細胞表層のインフルエンザウイルス・レセプターのブロックによる、ウイルスの細胞への吸着阻害と、感染細胞からのウイルスの放出の段階を抑制するものであることが示唆された。また、画分E'とF'とは相加作用を示し、少なくともデルフィニジン配糖体とシアニヂン配糖体とは、同一の抗ウイルス活性機序を有すると考えられる。

●カット野菜の衛生管理と日持ち向上

総合技術研究所 食品研究部 高山 文徳

カット野菜は調理の手間が省け、廃棄のロスもなく、非常に便利である。しかし、カットしていない野菜に比べて傷みやすく、さらに消費されるまでに、流通などで時間がかかることから、微生物の増殖の問題がある。微生物の増殖を抑制するためにカット野菜の製造現場では、製造機械、器具類へのアルコール噴霧などの工程殺菌、次亜塩素ナトリウム等の塩素系殺菌剤による生野菜の除菌処理、醸造酢や食品添加物での日持ち向上処理が行われている。

本稿では、最新のカット野菜工場の衛生管理と日持ち向上について以下の5項目で解説する。
①カット野菜工場の衛生面の問題点 ②カット野菜の原料野菜由来の微生物 ③器具、機械の汚染 ④カット野菜の洗浄と殺菌 ⑤カット野菜の日持ち向上剤の利用

●新製品紹介

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